1
9
何か変だ
いつもと違う
そうか、心臓が動いていないんだ
でもどこも痛くない
私は死んだのかな
するとここはどこなのだろう
真っ白な地面だけの何もない世界
遥か遠くで何かが光った
私は呼ばれた気がして光に向かって歩き出した
光は夜空の星のようにちらちらと瞬いていた
どれだけ歩いても息は切れなかった
そもそも歩いていたのか、飛んでいたのかもわからなかった
やがて光の元にたどり着いた
掌ほどの大きさの丸い鏡があった
鏡を覗くとベッドで眠る私が映っていた
病室らしき部屋には両親がいた
心配してる
早く戻らなきゃ
指先で鏡に触れると冷たい鏡面に押し返された
この鏡を割ればあっちに行ける
待ってて
今行くからね
私はありったけの願いを込めて鏡を殴った
紙を破いたように鏡に穴が開いた
びゅううと私の意識は私の身体に吸い込まれた
ドクリと心臓が跳ねた
ゆっくり目を開けると両親の姿が見えた
「ただいま」
いつもと違う
そうか、心臓が動いていないんだ
でもどこも痛くない
私は死んだのかな
するとここはどこなのだろう
真っ白な地面だけの何もない世界
遥か遠くで何かが光った
私は呼ばれた気がして光に向かって歩き出した
光は夜空の星のようにちらちらと瞬いていた
どれだけ歩いても息は切れなかった
そもそも歩いていたのか、飛んでいたのかもわからなかった
やがて光の元にたどり着いた
掌ほどの大きさの丸い鏡があった
鏡を覗くとベッドで眠る私が映っていた
病室らしき部屋には両親がいた
心配してる
早く戻らなきゃ
指先で鏡に触れると冷たい鏡面に押し返された
この鏡を割ればあっちに行ける
待ってて
今行くからね
私はありったけの願いを込めて鏡を殴った
紙を破いたように鏡に穴が開いた
びゅううと私の意識は私の身体に吸い込まれた
ドクリと心臓が跳ねた
ゆっくり目を開けると両親の姿が見えた
「ただいま」
ファンタジー
公開:19/07/30 07:52
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
ログインするとコメントを投稿できます