242. そろそろ気づいて…

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ミーンミーン…
TVドラマを観てると、セミの鳴き声が聞こえてきた。

撮影は真夏だったのかな?
もう9月も下旬なのになんだか妙な気分だ。

俳優さんたちは皆長袖を着ている。
季節設定は秋なのだろうか?

「今の技術ならセミの声も消せただろうに…」
そう呟くと、一瞬鳴き止んだように思えた。が、再び、
ミーンミーン…と激しく鳴き出した。

あぁ、なんか集中できないな…そう感じた私はTVを消して音楽を聴くことにした。

iPodのスイッチを入れる。
ミーンミンミン…。スピーカーからもセミの鳴き声が聴こえてくる。

え?なんで!?

わたしはスピーカーと、iPodを交互に覗き込んだ。
おかしいところは特に見受けられない。

と、次の瞬間…。
頭にオシッコをかけられた。

振り向くとオスのセミが背後にいた。

あぁ、すっかり忘れてた。
私もセミで、この夏ずっと求愛を受けてたんだった──。
ミステリー・推理
公開:19/07/30 08:00
更新:21/07/21 17:05
セミはオスしか鳴きません

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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