夢のリア充

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私の住むアパートの隣りに、お世辞にもさえない青年が引っ越してきた。

最近、幸せそうな顔をしているので、話しかけてみた。
「幸せそうですね」
「毎日、夢を見るんです。僕の家に美女がやって来るんですよ」
「それは、羨ましい夢ですね」
「ブロンド美女にチャイナドレスの美女、世界中の美女が訪ねてきて、お酒を飲んだり、踊ったり、王様のような毎日なんです」
「ほう。今で言うリア充ってやつですね」
「その通り!」
青年は高笑いして去っていった。

ある日、久しぶりに青年と顔を合わせた。げっそりと痩せている。
「顔色がよくないですね」
「眠るのが怖いんです」
「もしかして、あの夢のことでしょうか」
「もうたくさんだ!女なんて。断りもなく土足で押し寄せてくる。もう限界だ」
青年は突然倒れ、目を閉じると、何かに押し潰されそうな声を上げた。
「おい!しっかりしろ」

彼のリア充は、断末魔の声とともに絶滅した。
その他
公開:19/07/31 12:34
スクー 絶滅したリア充

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
最近はスクーのお題からの作品を楽しく書かせていただいてます。お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。

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