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ある日、空を散歩中にいきなり穴の中に吸い込まれた。
しかし私は動じなかった。前にハエ仲間から聞いた話を思い出したからだ。壁面に付着したゴミ。羽に絡まる無数の毛。ここは人間の鼻の穴だ。
早く抜け出したいが、さて仲間はどうやって脱出したと言っていたか。
羽を休めて考えようとしたその時、巨大な突起物が襲ってきた。この形状は人間の指だ。私は潰されないよう、奥に身を隠してやりすごした。ぐりぐりと攻撃が続いたが、やがて静かになった。
急いで脱出しよう。そう思い羽を動かそうとして失敗に気づいた。穴の奥へ進んだ結果、体中に毛が絡まり動けなくなってしまったのだ。私は赤い目を腫らして涙を流し、羽を震わせた。
突如、穴が激しく振動し、「はーっくしょん!」という爆音と共に私は外に発射された。
た、助かった!
私は歓喜に震え空を舞った。
いや、それどころじゃない。
早くハエ仲間に教えなければ。
鼻の穴、恐るべしと。
しかし私は動じなかった。前にハエ仲間から聞いた話を思い出したからだ。壁面に付着したゴミ。羽に絡まる無数の毛。ここは人間の鼻の穴だ。
早く抜け出したいが、さて仲間はどうやって脱出したと言っていたか。
羽を休めて考えようとしたその時、巨大な突起物が襲ってきた。この形状は人間の指だ。私は潰されないよう、奥に身を隠してやりすごした。ぐりぐりと攻撃が続いたが、やがて静かになった。
急いで脱出しよう。そう思い羽を動かそうとして失敗に気づいた。穴の奥へ進んだ結果、体中に毛が絡まり動けなくなってしまったのだ。私は赤い目を腫らして涙を流し、羽を震わせた。
突如、穴が激しく振動し、「はーっくしょん!」という爆音と共に私は外に発射された。
た、助かった!
私は歓喜に震え空を舞った。
いや、それどころじゃない。
早くハエ仲間に教えなければ。
鼻の穴、恐るべしと。
ファンタジー
公開:19/07/28 22:47
更新:19/08/05 18:13
更新:19/08/05 18:13
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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