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ここは水の中。
君がいるのも水の中。
僕たちを隔てているのはたった一枚の薄いガラスだけだ。
僕たちはぴったりと寄り添う。
ガラスの向こうとこちら側で。
お互いの体温が伝わるようにと。
雨が何年も降り続き、世界が水に沈んでしまった。
そしていつの間にかどこまでも続くガラスが世界の水を海水と真水に分けてしまった。
君がいるのは海の水。
僕は向こう側では生きていけない。
僕がいるのは真水だから、君もまたこっち側では生きていけない。
ガラス越しに見た美しい君の姿に魅せられ、毎日僕はここに来て君の姿を探した。
二人が毎日会うようになるまで時間はかからなかった。
何年も降る事のなかった雨がまた降りだし、何か月も続き、水かさが増し、ガラスを超えそうなところで雨は弱くなっていた。
ガラスの淵で僕はジャンプした。
君のいる海の水の中へ。
君がこっちへ泳いで来るのが見える。
鋭い歯の大きな口を開けて。
君がいるのも水の中。
僕たちを隔てているのはたった一枚の薄いガラスだけだ。
僕たちはぴったりと寄り添う。
ガラスの向こうとこちら側で。
お互いの体温が伝わるようにと。
雨が何年も降り続き、世界が水に沈んでしまった。
そしていつの間にかどこまでも続くガラスが世界の水を海水と真水に分けてしまった。
君がいるのは海の水。
僕は向こう側では生きていけない。
僕がいるのは真水だから、君もまたこっち側では生きていけない。
ガラス越しに見た美しい君の姿に魅せられ、毎日僕はここに来て君の姿を探した。
二人が毎日会うようになるまで時間はかからなかった。
何年も降る事のなかった雨がまた降りだし、何か月も続き、水かさが増し、ガラスを超えそうなところで雨は弱くなっていた。
ガラスの淵で僕はジャンプした。
君のいる海の水の中へ。
君がこっちへ泳いで来るのが見える。
鋭い歯の大きな口を開けて。
SF
公開:19/07/28 22:27
もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)
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