241. 人魚のセール

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珍種入荷しました!
そんな貼り紙が目についたので店に入ってみた。魚の専門店だ。多種な魚が大小様々な水槽の中で泳いでいる。
ピチピチャン!音のした水槽を覗くと、人間の女の子にソックリな魚が数匹見受けられた。
「え?まさか…人魚?」
驚いてそう聞くと、店主は口角を上げた。
「まぁそうですね。お買い上げなさいますか?今ならセールで半額ですよ」
値段はピンきりだった。試しに一番安いのを買うことに。
「では、こちら」
「世話はどうしたら?」
「お風呂に入れて下さい。40℃くらいの。餌はあなたと同じものを少し柔らかくして」
戸惑ったが、今更断るのも悪いかと思い、ジップロックに入れられたそれを受け取り金を払い、帰宅して早速風呂に入れた。

次の瞬間人魚は、生き返るのぅ!と叫ぶと美少女の皮を破り、シワシワの顔を覗かせ歯の抜けた口で笑った。
え?年寄り?
説明書には眉雪人魚(推定95歳)と書かれていた──。
ファンタジー
公開:19/07/28 23:00
更新:19/08/18 02:41
スクー ジップロック人魚

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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