不自由

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私があなたの目になってあげると言われたその日、私は目が見えなくなった。
そして、いつも彼女が付き添って、僕の身なりを世話してくれるようになった。
次の日、彼女は僕の腕になってくれると言った。そして、僕は眠っている間なのか、いつのまにか、両腕がもげてしまった。
だから、常に、彼女に付き添ってもらわないと何もできなくなってしまった。
更に、時間が経過すると、彼女は、あなたの言葉になってあげると言った。
僕の口を糸のようなもので縫うと、全く口を開けなくさせ、彼女が常に私の意志を他人に伝えるようになった。
私は生きているのか死んでいるのか実感がわかなくなった。
彼女は、僕の何を望んだのかは知らないが、全てを奪い、闇のように微笑むのであった。本当はあなたの自由を奪いたかったのかもしれない・・・
その他
公開:19/07/27 18:33

神代博志( グスク )









 

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