それが答えだ

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「明日デートなんだけど、どうすればいいかな」
友人は、真剣な顔で僕に聞いてきた。どうやらデート自体初めてらしい。
「そうだな」
僕は、ゲームのコントローラを置いた。
「いいか、彼女の一番重いものはお前が持つんだ」
もちろん、僕は彼女なんかいないし、デートもしたことがない。しかし、僕の優位性を彼に見せつける好機だとばかりに、ネットで仕入れた知識を得意げに披露した。
「な、なるほど」
頷く友人の目に、尊敬の色が浮かぶのがわかった。
「上手くやれよ」
僕は再びゲームを始める。コントローラを持つ手が僅かに震えた。
次の日、僕はこっそりデートの様子を窺うことにした。もしものときには、あらゆる手段を講じて阻止しなければならない。
「確かこの公園で……。いたいた、なっ!?」
そこで目にしたのは、彼女をお姫様抱っこして歩く友人の姿だった。
一番重いもの……!
僕は、そっと頬を拭った。
その他
公開:19/07/27 18:08
更新:19/07/27 22:26

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