黄金比
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                                「これが、黄金比と呼ばれるやつですか?いやー、素晴らしい造形ですね。しかし、この材料はなんですか?」
数学者は興味津々に、その男にきいた。
「この作品には、人間そのものを忠実に再現するために、皮膚から骨まで本物で制作しました」
男は、悪びれた様子もなく、自身の渾身の作品を眺めて話した。
「それにしても、素晴らしい。次回の作品はどうされますか?都内に、ひっそりと個展でも開いたら、その筋の人達がたくさん集まりますよ」
数学者は、鼻からずり落ちそうになった銀縁眼鏡をくいっと指で持ち上げた。
「私の芸術はそんなに安いものではございません。個展を開くより、もっと大勢の方に評価をしてもらいたいと思う次第です。さあ、あなたもせっかくなので、私の作品の一部になってもらいませんか?」
次の瞬間、突然、部屋の照明が落ち、男の薄気味悪い笑い声が部屋の中に響き渡った。
    数学者は興味津々に、その男にきいた。
「この作品には、人間そのものを忠実に再現するために、皮膚から骨まで本物で制作しました」
男は、悪びれた様子もなく、自身の渾身の作品を眺めて話した。
「それにしても、素晴らしい。次回の作品はどうされますか?都内に、ひっそりと個展でも開いたら、その筋の人達がたくさん集まりますよ」
数学者は、鼻からずり落ちそうになった銀縁眼鏡をくいっと指で持ち上げた。
「私の芸術はそんなに安いものではございません。個展を開くより、もっと大勢の方に評価をしてもらいたいと思う次第です。さあ、あなたもせっかくなので、私の作品の一部になってもらいませんか?」
次の瞬間、突然、部屋の照明が落ち、男の薄気味悪い笑い声が部屋の中に響き渡った。
        ミステリー・推理
      
      公開:19/07/27 00:29      
    
 
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