びっくり箱

2
7

しまった!電車の中に会議で使う重要な書類を忘れてきてしまった!
俺は駅員に事情を説明し、次の駅で書類を探してもらうよう頼んだ。
すると駅員、何やら箱のようなものを持ってきて「開けてみてください」と言ってきた。
よく分からんがとりあえず開けてみよう。
箱を開けると中から会議で使う重要な書類が飛び出してきた。
「当駅ではお客様の落とし物・探し物に対して、こちらのびっくり箱にてお渡しするサービスをしております。どうです?驚かれましたか?」
勿論だ。いやはや、今の技術はこんなにも進んでいるのか…
感心していると何かが俺の襟首を引っ張った。
何だ何だ?
気が付けば俺は次の駅のホームに座り込んでいた。
目の前には俺を睨みつける女性。
「この人、痴漢です!」
何故バレた!?俺の隠ぺい工作は完璧だったはずだ!
振り返ると後ろにいた駅員はびっくり箱を抱えていた。
探し物は俺か。便利な世の中になったものだ…
公開:19/07/26 18:09

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容