吸い込まれる

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僕は吸い込まれた。君の蒼い瞳に。
君と会った瞬間に僕は君に恋に落ちていた。

僕は引き込まれた。君の話すストーリに
何気ない日常の話だけど君が笑顔で話しているのを僕はいつまでも聞いていたかった。

ある満月の夜
僕は君の体をそっと引き寄せ、君の柔らかな唇に優しくキスをした。

数年後、僕の妻は突然、血を吐いた。
病名は白血病。僕は妻のために骨髄提供を申しでた。献血もした。
僕の体から細いチューブを伝い、大量の血液が吸いだされる。その取り出された赤い血液はそのまま妻の体に。

数日後、妻は亡くなった。きっと苦しかったはずなのに最後まで自分の事よりも僕の事を心配し、平静を保っていた。それなのに僕は妻が亡くなったその日から何もする気になれなかった。悲しくて悲しく毎日を絶望にくれていた。そんな時、僕の目の前には線路があった。
ここから一歩踏み出せば妻の元へ行ける。僕は吸い込まれるかの様にダイブした
公開:19/07/24 15:40
更新:19/07/24 15:44

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