大二郎の影
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俺は貯めてきた財産を弟を育てる
ために取り崩していった。
ある日、遊びまわる弟は池に落ちたと聞いた。
家にお客をもてなさなければいけないのに、
困ったものだ。
怒って、現場に駆け付けてみると、
弟は怪我どころか、はしゃいで駆け回っている。
お客が家に来た。
座敷に上がってもらい、席を設けた。
向かい合って話すうちに、弟の事が話に上がった。
「どうでしょう、弟さんをうちに預けるというのは?」
「それは、養子にという事でしょうか?」
俺は弟の事で苦労が多いことは確かだが、
厄介者と思った事は無い。
「大二郎はうちの弟です。よそにはやれません」
「しかし、養育費や生活の事を考えると大変でしょう?」
客人は焦っている様子だった。
断りを言い、帰ってもらった。
この暑い季節。
戸の隙間から入る風は涼しく、
庭で遊ぶ大二郎の影が障子に映り込んでいた。
それが、消えて亡くならない影であることを祈った。
ために取り崩していった。
ある日、遊びまわる弟は池に落ちたと聞いた。
家にお客をもてなさなければいけないのに、
困ったものだ。
怒って、現場に駆け付けてみると、
弟は怪我どころか、はしゃいで駆け回っている。
お客が家に来た。
座敷に上がってもらい、席を設けた。
向かい合って話すうちに、弟の事が話に上がった。
「どうでしょう、弟さんをうちに預けるというのは?」
「それは、養子にという事でしょうか?」
俺は弟の事で苦労が多いことは確かだが、
厄介者と思った事は無い。
「大二郎はうちの弟です。よそにはやれません」
「しかし、養育費や生活の事を考えると大変でしょう?」
客人は焦っている様子だった。
断りを言い、帰ってもらった。
この暑い季節。
戸の隙間から入る風は涼しく、
庭で遊ぶ大二郎の影が障子に映り込んでいた。
それが、消えて亡くならない影であることを祈った。
その他
公開:19/07/23 21:59
小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。
「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。
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