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小学校の体育の時間。校庭の遊具を順番に使って体力づくりをしていて、次は「登り棒」となった時、生徒達の動きに違和感を覚えた。五本ある登り棒のうち、北から二番目の棒には誰一人並ばず、他の四本に並んでいるのだ。
「もう一本あるだろ」
と生徒に言うと、みんな下を向いてしまう。
「何か、あるのか?」
と近くにいた生徒に聞いてみると、その生徒が
「この登り棒は怖いからです」
と答え、生徒達が一斉に頷いた。
理由を聞いたところ、この棒に登った時だけ、地面がものすごく遠くに見えるので怖い。のだという。
「そうなのか。ちょっと登ってみるか」
私はそう言って、問題の登り棒に飛びついた。その瞬間から、心配そうに見上げる生徒達の姿が米粒のようになった。
「分かった。これは使用禁止にしよう」
後日、問題の棒の直下を掘ってみると、一組の松葉杖が真っすぐに埋まっていた。それを取り除くと異常はおさまった。
「もう一本あるだろ」
と生徒に言うと、みんな下を向いてしまう。
「何か、あるのか?」
と近くにいた生徒に聞いてみると、その生徒が
「この登り棒は怖いからです」
と答え、生徒達が一斉に頷いた。
理由を聞いたところ、この棒に登った時だけ、地面がものすごく遠くに見えるので怖い。のだという。
「そうなのか。ちょっと登ってみるか」
私はそう言って、問題の登り棒に飛びついた。その瞬間から、心配そうに見上げる生徒達の姿が米粒のようになった。
「分かった。これは使用禁止にしよう」
後日、問題の棒の直下を掘ってみると、一組の松葉杖が真っすぐに埋まっていた。それを取り除くと異常はおさまった。
その他
公開:19/07/25 09:38
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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