朝売りの夢

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相性が悪く思われますが、珈琲と日曜日の朝は格別です。
浅煎りの夢は着地緩やかで、風の中を滑っていきます。ふわふわと浮かんでいく私たちの意識は、眠るということでもなく空気の中を漂うようです。
シルクのような手触りで風が耳元を滑ります。子どもの頃の午睡のような、光に包まれた安心感。
そのままたんぽぽの綿毛のようにどこまでも運ばれていきますと、小鳥の囀りが聞こえてくるはずです。
まだ人が起きていない。車も通っていない。そう、町はまだ寝ぼけ眼の朝なのです。
さあ、散歩に出かけましょう。意識を夢と狭間にぼんやりと漂わせながら、軽やかに風と歩いてみましょう。
これがなんとも言えない贅沢だということを、みんな大人になると分かるのです。
街はまだ夢の中。生まれたての青空はあどけない夜色。全てが寝ぼけ眼の、魔法の一時間。
特別な朝を売りましょう。日曜日の朝を、シルクの風で軽やかに。
素敵な一時間を、貴方に。
ファンタジー
公開:19/07/24 23:19
(朝お布団から出たくない…) 惰眠を貪り隊 #幻想を売る人 *怪我には注意

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz

『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

こちらで写真を紹介、ハガキにと販売しております!
https://minne.com/@sakoyama0705  - ハンドメイドマーケットminne(ミンネ)

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