びっくり箱

俺の住む町では「驚いたら魂が抜ける」なんて、馬鹿みたいな迷信が信じられている。
だから皆、日頃から滅多なことでは驚かないようにと気を付けているようだが、俺はそんな連中を驚かせることが大好きだ。
道の真ん中に段ボールを設置する。
人通りが増えてきたところで、その段ボールを爆破する。
周りにいた奴ら、驚いて慌てふためいていた。最高に笑ったよ。
そんな悪戯を繰り返す事数十回。
ついに俺の犯行とバレたからか、近所の奴らが家に押し寄せてきた。
それも何やら大きな箱を持って来てやがる。それで俺を驚かせようってのか？
俺は家に運び込まれた箱の中身をこっそりと見ることにした。
箱の中身は…俺だった。
俺が白装束を着て眠っている。なんだこれ…
「貴方は段ボールの爆破に巻き込まれて亡くなったんですよ」
その言葉に振り替えると、死神が最高の笑顔でそこに立っていた。
驚きと共に俺の霊魂は死神に刈り取られた。