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遠足の朝、万能アンドロイドのサヤカからお弁当を手渡された。サヤカは一ヶ月前に病気で亡くなったママが遺してくれたママの代わり。私はママそっくりなサヤカが苦手だった。
「ありがと」
お弁当が入った巾着を引ったくる。去年の遠足の時と同じ花柄の巾着だった。
小学校から丘の上の公園を目指して歩いている間、私はお弁当の中身が気になって仕方なかった。美味しくなかったら文句言ってやる。どうせ不味いに決まってる。ママのお弁当に勝てるわけない。
公園に到着した。友達と一緒にシートを広げて、ドキドキしながらお弁当箱を開いた。
トマトやレタス、卵焼きにウインナー。花束みたいに綺麗なお弁当だった。
「マリちゃんのお弁当美味しそう!」
私は黙って卵焼きを口に運んだ。
「こんなの失敗よ」
「美味しくないの?」
首を横に振って俯いた。
帰ったらサヤカに文句言ってやる。
ママのお弁当がこんなに美味しいわけないじゃない。
「ありがと」
お弁当が入った巾着を引ったくる。去年の遠足の時と同じ花柄の巾着だった。
小学校から丘の上の公園を目指して歩いている間、私はお弁当の中身が気になって仕方なかった。美味しくなかったら文句言ってやる。どうせ不味いに決まってる。ママのお弁当に勝てるわけない。
公園に到着した。友達と一緒にシートを広げて、ドキドキしながらお弁当箱を開いた。
トマトやレタス、卵焼きにウインナー。花束みたいに綺麗なお弁当だった。
「マリちゃんのお弁当美味しそう!」
私は黙って卵焼きを口に運んだ。
「こんなの失敗よ」
「美味しくないの?」
首を横に振って俯いた。
帰ったらサヤカに文句言ってやる。
ママのお弁当がこんなに美味しいわけないじゃない。
その他
公開:19/07/22 11:33
ベリショ祭
ベリショーズvol.2
溺れるイチゴとママの声
蔵出し
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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