廃屋の朝顔

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ずっと放置されたままの廃屋。その庭には毎年朝顔が咲く。それがまたいわくつきの朝顔で、人の言葉を食べて、話すことができるという。
その真偽を確かめるためにやって来たのだが、どうすればいいのか。

庭の朝顔を調べてみる。白地に紫色の斑点が飛び散ったように模様を描いている。
まるで
「血……みたいだ」
呟いた瞬間。
目の前が真っ赤に染まる。
ぶつり、何かが千切れるような音。


その朝顔は、喰らった人間の中にある言葉や記憶を自分のものにするという。


いらっしゃい。
声が聞こえる。
廃屋の庭から。
午前1時。こんな時間に?

今日も始めるよ。背筋の凍る怖い話を。そんなところにいないで。さあ、こちらに。

声につられて中に入ってしまう。有無を言わせない声。

庭の中では赤黒く染まった朝顔が、月明かりによって不気味に照らされていた。

やあ。
いらっしゃい。

朝顔は、にやりと嗤った。
ホラー
公開:19/07/22 11:25
ベリショ祭り

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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