胡蝶の夢を夢見る
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最近、ひどくリアルな夢を見る。
(まるで胡蝶の夢のようだな。)
けたたましく喚くアラームを止めながら苦笑する。
大きく伸びをして窓を開ければ、爽やかな風とともにお隣さんのお味噌汁の匂いが鼻腔をくすぐった。
(…良い朝だ。)
そこで"目が覚めた"。この表現が正しいのかどうかはわからないが、何にせよ先程あった現実と全く別の現実であることだけは確かだ。
土ぼこりとともに血と硝煙の匂いが鼻をつく。
どうやら小銃を抱え込みながら眠っていたらしい。四角く切り取られただけの窓から差し込む月明かりが、唯一の光だった。
小さく肩を動かして、体を温める。
限られた安息の場所でさえ、長くはいられない。動かなければ、奪われるだけだ。
身体に不釣り合いな小銃を抱え直し、少年は立ち上がる。
隣で眠る男はもう目が覚めないようだった。
(願わくば僕らが蝶でありますように。)
(まるで胡蝶の夢のようだな。)
けたたましく喚くアラームを止めながら苦笑する。
大きく伸びをして窓を開ければ、爽やかな風とともにお隣さんのお味噌汁の匂いが鼻腔をくすぐった。
(…良い朝だ。)
そこで"目が覚めた"。この表現が正しいのかどうかはわからないが、何にせよ先程あった現実と全く別の現実であることだけは確かだ。
土ぼこりとともに血と硝煙の匂いが鼻をつく。
どうやら小銃を抱え込みながら眠っていたらしい。四角く切り取られただけの窓から差し込む月明かりが、唯一の光だった。
小さく肩を動かして、体を温める。
限られた安息の場所でさえ、長くはいられない。動かなければ、奪われるだけだ。
身体に不釣り合いな小銃を抱え直し、少年は立ち上がる。
隣で眠る男はもう目が覚めないようだった。
(願わくば僕らが蝶でありますように。)
ファンタジー
公開:19/07/22 09:37
思いつくまま、気の向くまま。
自分の頭の中から文字がこぼれ落ちてしまわないように、キーボードを叩いて整理整頓するのです。
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