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「寿命が縮む百物語」というイベントに参加した。会場の廃寺は近所だったし、無料だったからだ。
入口で赤い蝋燭を一本手渡され「お好きな蝋燭立てに名前を書いて立てて下さい」と言われた。
蝋燭立てというのは、白い皿にズラリと並んだいちごのショートケーキで、名前は皿にチョコペンで書くのだ。席が埋まっていき、百皿分のショートケーキに名前が付いて、蝋燭が並ぶ。係の人が蝋燭に火をつけると、心臓がギュンとした。揺れる炎の下、真っ赤な苺から、ベリーのソースがタラタラと流れ落ちている。
皿の番号がランダムに選ばれ、そこに蝋燭を立てた人が皿を持って話す。話し終えたら食べてしまい、蝋燭が吹き消される。そして次の人へ。無料で怖い話が聞けて、ケーキもあって、しかも食べられるという、お得なイベントだった。
私の番が終わって、ケーキを食べようとした。するとケーキがぎょろりと私を睨んで言った。
「いただきます」
入口で赤い蝋燭を一本手渡され「お好きな蝋燭立てに名前を書いて立てて下さい」と言われた。
蝋燭立てというのは、白い皿にズラリと並んだいちごのショートケーキで、名前は皿にチョコペンで書くのだ。席が埋まっていき、百皿分のショートケーキに名前が付いて、蝋燭が並ぶ。係の人が蝋燭に火をつけると、心臓がギュンとした。揺れる炎の下、真っ赤な苺から、ベリーのソースがタラタラと流れ落ちている。
皿の番号がランダムに選ばれ、そこに蝋燭を立てた人が皿を持って話す。話し終えたら食べてしまい、蝋燭が吹き消される。そして次の人へ。無料で怖い話が聞けて、ケーキもあって、しかも食べられるという、お得なイベントだった。
私の番が終わって、ケーキを食べようとした。するとケーキがぎょろりと私を睨んで言った。
「いただきます」
ホラー
公開:19/07/22 08:33
ベリショ祭り
「いただきますベリ」
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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