なんでだよ

いつもギリギリのとこでお前の一歩前に出る。
ちっさい頃からなんかっていうと俺とお前は比べられてきた。
俺はお前に負けたくなくて、こっそり練習したり、研究したり、時にはちょいとズルもして、なんとかお前よりちょいと上にこの身を置いた。
注目されて、褒められて、気分も良かったし、また次もやってやるって気になった。ところが、いつしか周りの大人たちは俺の勝利を褒めるよりお前の惜敗を悔しがり、あとちょっとの差に応援をし、次への期待をした。
俺は最早勝利を手放しで喜んで貰えず、次に期待もされなくなった。
何をやっても、どんな良い結果を出しても、俺はお前に敵わない。
お前に今一度勝ってみんなの注目を、賞賛をこの身に受けるために、俺はどうすればいいのだろう。