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「今日のお味噌汁、おいしいなぁ」
「あはは、これはキョウフの味噌汁だからねぇ」
妻はひどく愉しそうに笑った。
「恐怖?」
いや、京都のお麩の味噌汁って事なのかな。
いやいや、それにしちゃあこの具は歯応えがあり過ぎる。どう考えても、これは何かの肉にしか思えんが⋯⋯。
「ところであなた」
「ん、何だ?」
「明美って女の人から、よく電話がかかってくるのよ」
浮気がバレた!?
「あ、明美なんて女は知らないよ」
「分かってるわよ、何もかも。すでに彼女との間に、子どもも出来たっていうじゃない」
いかん、完全にバレてる⋯⋯。
「す、すまん、つい出来心でナ」
「いいのよ⋯⋯もう、制裁は済ませたから」
「な、何だと!?」
席から立ち上がろうとしたが、まるで足を踏ん張る事ができなかった。
俺は自分の足元を見て恐怖した。
ザリガニのような鋏に変形した妻の足が、俺の両脚をジャキジャキと切り刻んでいたから──。
「あはは、これはキョウフの味噌汁だからねぇ」
妻はひどく愉しそうに笑った。
「恐怖?」
いや、京都のお麩の味噌汁って事なのかな。
いやいや、それにしちゃあこの具は歯応えがあり過ぎる。どう考えても、これは何かの肉にしか思えんが⋯⋯。
「ところであなた」
「ん、何だ?」
「明美って女の人から、よく電話がかかってくるのよ」
浮気がバレた!?
「あ、明美なんて女は知らないよ」
「分かってるわよ、何もかも。すでに彼女との間に、子どもも出来たっていうじゃない」
いかん、完全にバレてる⋯⋯。
「す、すまん、つい出来心でナ」
「いいのよ⋯⋯もう、制裁は済ませたから」
「な、何だと!?」
席から立ち上がろうとしたが、まるで足を踏ん張る事ができなかった。
俺は自分の足元を見て恐怖した。
ザリガニのような鋏に変形した妻の足が、俺の両脚をジャキジャキと切り刻んでいたから──。
ホラー
公開:19/07/23 14:39
ベリショ祭
(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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