ひきにげ

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「弾き逃げだー!」
どこからかピアノの旋律がきこえてきた。
今回の犯行も例の連続弾き逃げ犯「Mr.P」の仕業だろう。
周囲の人達は音楽に魅せられたのか歌ってたり踊ったりで話にならない。
音の発生源を急いで探した。

市民たちには、やれ鬱が治ったとか、気持ちが前向きになったとかヒーロー扱いだが。
とんでもない! こいつらは時間泥棒だ。
駅前で弾き逃げされた時など数時間も電車がストップした。

たどり着いたビルの屋上で怪盗紳士のいでたちをした男がピアノを前に座っていた。
「お待ちしてましたよ」
「警察だ! おとなしく縛につけ」
「おや、私は市民の皆様に憩いを与えようとしているだけですよ?」
聞く耳は持たん。奴の音楽も俺には効かん。
「では、この曲はどうです?」
「ま、待て!! その曲は……」
数十分後、Mr.Pは逮捕された。
「あんな音痴がいるとは思わなかった」とコメントしていたらしい。
ミステリー・推理
公開:19/07/21 17:11

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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