6
12
「所長さん。あんた、間が悪いんじゃねえか?」
ナイフをチラつかせながら男が言った。だが所長は冷静だった。
「あなたが強盗目的で本日12時39分にここへ来ることは予測していました。だから、所員は全員屋外へ非難しているんです」
「あんたは残ってるじゃねぇか」
「留守では、あなたが押し入るのが先延ばしになるだけですから」
「どうやって予測した?」
「社外秘なんですがね」
「命と引き換えにするのか? はんっ。どうせハッタリなんだろ?」
「心外ですね。当社は『間』を関数として捕らえ、ビッグデータの解析によって携帯端末保持者の移動特性を完全に把握できるんですよ。ほら警察が到着しました」
階下に足音が響く。所長は男に外階段を示した。
「なぜ、逃がす?」
「実害はなかったので」
男が出て行き、扉が開く。所員達が昼食を終えて戻ってきたのだ。
「あれ、所長。来客でしたか?」
「ああ。間抜けな客だったよ」
ナイフをチラつかせながら男が言った。だが所長は冷静だった。
「あなたが強盗目的で本日12時39分にここへ来ることは予測していました。だから、所員は全員屋外へ非難しているんです」
「あんたは残ってるじゃねぇか」
「留守では、あなたが押し入るのが先延ばしになるだけですから」
「どうやって予測した?」
「社外秘なんですがね」
「命と引き換えにするのか? はんっ。どうせハッタリなんだろ?」
「心外ですね。当社は『間』を関数として捕らえ、ビッグデータの解析によって携帯端末保持者の移動特性を完全に把握できるんですよ。ほら警察が到着しました」
階下に足音が響く。所長は男に外階段を示した。
「なぜ、逃がす?」
「実害はなかったので」
男が出て行き、扉が開く。所員達が昼食を終えて戻ってきたのだ。
「あれ、所長。来客でしたか?」
「ああ。間抜けな客だったよ」
ミステリー・推理
公開:19/07/21 11:17
更新:19/08/24 23:22
更新:19/08/24 23:22
間の話
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
ログインするとコメントを投稿できます