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小学校の修学旅行中、僕は、いつも持ち歩いていたバッファローマンのキン消しと、感想などを語り合っていた。
二泊目の深夜だった。僕は、蒲団の横にある押入の襖を、誰にも気づかれないようにどこまで開けられるかという一人チャレンジを試みていた。その時、押入の天井の点検口に気付いた。僕はバッファローマンと共に押入に入り、点検口の蓋を開けて中を覗いた。埃まみれの木組みと銀色のパイプが縦横に走っていた。僕は目の前の梁にバッファローマンをそっと立たせて、蒲団に戻った。
その旅館に20年振りに泊まることになった。部屋は違うが、押入の天井には点検口があった。懐かしくなった僕は、点検口の中を覗いた。
目の前の梁にバッファローマンが立っていた。僕は思わず手伸ばしていた。だがビクともしない。
よく見ると、バッファローマンの両足は梁に釘で打ち付けられていた。
僕はすぐにフロントへ行き、宿泊をキャンセルした。
二泊目の深夜だった。僕は、蒲団の横にある押入の襖を、誰にも気づかれないようにどこまで開けられるかという一人チャレンジを試みていた。その時、押入の天井の点検口に気付いた。僕はバッファローマンと共に押入に入り、点検口の蓋を開けて中を覗いた。埃まみれの木組みと銀色のパイプが縦横に走っていた。僕は目の前の梁にバッファローマンをそっと立たせて、蒲団に戻った。
その旅館に20年振りに泊まることになった。部屋は違うが、押入の天井には点検口があった。懐かしくなった僕は、点検口の中を覗いた。
目の前の梁にバッファローマンが立っていた。僕は思わず手伸ばしていた。だがビクともしない。
よく見ると、バッファローマンの両足は梁に釘で打ち付けられていた。
僕はすぐにフロントへ行き、宿泊をキャンセルした。
その他
公開:19/07/21 08:16
更新:19/07/21 10:30
更新:19/07/21 10:30
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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