褻着(ケギ)

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晴れ着とは、民族・文化人類学で定義する『ハレ(晴れ)』――非日常。即ち冠婚葬祭に着ける衣装である。
これに対し、日常を『ケ(褻)』と称ぶが、仮に普段着を、褻着(ケギ)と表現する事が出来るだろうか?

検証:結婚式の招待
例文①
『気の張る式じゃないし、当日はケギで来い』
『いや、真夏に毛皮はちょっと』
例文②
『ケギ来場だって。城君どうする?』
『俺、嫌われてんのかな。行かない方が良い?』
例文③
『今週日曜、朝10時で、ケギかぁ……』
『県議会選挙は、次週ですが』
例文④
『現職刑事で、ケギって』
『一歩間違うと、違う想像しそう』

上記の様に、口頭での使用は、不要な混乱の元となる、という嫌疑が晴れない。よって普段着は慣例に従い、『普段着』と称んでしかるべきである。
ただし、ハレの場における着衣は、如何に普段に徹しようと、字義的に『晴れ着』である。ゆえにこの検証自体、全く意味をなさない。
その他
公開:19/07/21 00:00

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

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