彼女の言葉

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「そうなのよ」
そんな少し昔の言い方で答える悦子は、
同じバイト仲間だ。同期でもあるが
一緒に入ろうと誘われた。
大学では充実していると言う悦子。
そんな彼女は少し理詰めで考える所があった。
高校時代。数学の先生に質問。
「先生、その答えはどういった根拠があって
そうなったのですか?」
先生は毎回答えるのに苦しんでいる様子だったが
悦子の事を嫌な生徒と思っている訳では
なさそうだった。
僕と話す時、悦子はの口調は「同感した」と
信号を出すような感じだった。
「そうなのよ」
と語尾に添えて。
でもそんな話し方に愛らしさを感じていた。
高校生活が終わる頃だったか、
僕は悦子に告白した。
本人はキョトンとして固まった表情をした。
「どうかな?」
なんて言ってしまった後、
「それは、どんな感情なの?」
と問われ、
「愛だ」
と答えると
「狂っていると、そうなのよ」
と真顔で言われてしまった。
青春
公開:19/07/21 21:21

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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