ハナコと魔神

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 べり… べりり…  ショ…
 寝苦しい夏の夜。寝惚けた鼓膜をナニカの気配に撫でられた。(動かない!)金縛りだ。
「おはようございます。ご主人様」
「ハナコか?」
 暗闇に目を凝らすと、けん玉のハナコが私の体に巻きついていた。
「なにしてんだよ。金縛りかと思った」
「わたくし、見たんです」
「何を」
「……お化け」
「は?」
「お化けです。ご主人様」
「お前がな」
「本当です。真っ白な顔に、真っ赤な天冠。そのお化けが、わたくしをご主人様にぐるぐるのぐるです」
「そう、いいから解いて」
「たとえ解けたとしても、わたくしとご主人様は見えない赤い痛ァーーッ!」
 巻きついた糸をハサミで切ると、ハナコの悲鳴に驚いてナニカが飛び出した。魔神だ!私はすかさずハナコの玉を投げつけた!
「痛ァーーッ!」
 叫ぶハナコの玉の穴を魔神が大きなフォークで器用に突き刺した!
「フォークボールベリ!」
 大魔神だ!
ホラー
公開:19/07/21 19:49
ベリショ祭り ベリちゃん

10101298

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