カラー目薬

「あれ？今日は青じゃん。どうしたの？」
「新しいカラー目薬、買っちゃいました！」
「いいなぁ。そういえば、新作のカラー目薬見つけて......」

最近の女子の間では、カラー目薬が話題である。
その目薬を数滴さすだけで、たちまち色が変わるのだ。
カラーコンタクトと比べ、目が疲れず気軽に使えるという優れもの。
しかし、人というのは正道を外したがる生き物のようで、若者の間では酷い使われ方をしていた。

「最近聞いたんだけど、２つの目薬を混ぜると色が変わるんだって。絵の具みたいに」
「そうなんだ。やってみようよ！」
二人は互いの赤と青の目薬を1滴ずつ、自分の目にさした。
すると、青の滴と赤の滴がゆっくりと混ざり合い、きれいな紫に変化した。
「ねぇねぇ、どう見える？」
一人の女子がウキウキしながら尋ねた。
「え？一面紫しか見えなんだけど......」
彼女は紫の世界に、閉じ込められてしまった。