狂った計算

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私は密かに小説を書き雑誌社の懸賞に応募した。家でごろごろしていると、突然雑誌社から電話があり「貴方が選考委員会で受賞者として決定しました。おめでとうございます。」と告げられた。その後は取材やTV出演などの依頼もあり、喜びで有頂天になっていた。
まるで夢みたいと、思った瞬間「あんた、うたた寝していると、風邪を引くよと」妻に起こされた。
夢か、でも発表日はまだ先だからと、吉報を待っていた。
するとベルが鳴り、「お墓は如何ですか、見晴らしの良い高台に分譲墓地を発売中です」と。
別の電話に慌てて出ると、「お家の外壁をピカピカにしませんか」と、リフォーム屋からであった。
ある日は「オレだけど、急にお金が要ることになった」、私はピーンと怪しいのに気付き、「越後也か?」と、問うと「そうだ、息子の越後也だよ」と、オウム返し。その後も変な電話以外はなく遂に発表日が過ぎた。また平凡な日々に戻った。
公開:19/07/20 13:51
更新:19/08/09 19:58

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