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右を見ても左を見ても雨。
前を見ても後ろを見ても雨。
傘を少しずらし、上を見たけどやっぱり雨。
下を見たら水たまり。雨たまり?じゃないのね。

右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても、人ばっか。
上見てたら人は居ないけど、どんより雨雲。私の心だ。
下見てたら暗い気分になってきた。
はぁ、帰りたい。


しんしんと雪が降り始めた。右を見ても左を見ても真っ白。空気の張りが頬を伝う静かな銀世界。道も田んぼも境目がわからなく、じいちゃんの「ザクッザクッ」と雪を踏みしめる音の後に私の小さな赤色の長靴が新雪を踏みしめ、「サクッサクッ」と切るような音。傘をずらし雪空を見る。なんかが飛んでいるみたい。
「上を見ると虫っこ。前を見ると綿っこ、下を見るとやっぱり雪っこだぁ」じいちゃんは私に微笑み、上を見た。空には白くふわふわと虫が飛んで、目の前にはゆらゆらと綿、でもやっぱり下には雪。


やっぱり帰ろう。
その他
公開:19/07/19 22:28
更新:19/07/20 13:54

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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