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「どういう事だよ」
これ見よがしに、彼女の携帯を足元に放り出した。彼女は少し視線を移した後、また俺を見て、首を傾げた。
「知らない奴から電話が来たぞ」
「あれ、たかしくんかな?」
「男だなんて一言も言ってない!」
あくまで彼女がとぼけた様子なので、俺もつい声を荒げてしまった。
彼女は怖がる様子もなかった。少し目を丸くして、口元をわずかに抑えただけだ。その動作もいちいち可愛らしくて、一層俺の苛立ちを募らせた。
自慢の彼女だった。
サラサラと艶のある長い髪、すっと伸びた細長い手足。そこらのモデルや女優より、うんと綺麗だった。
俺は舞い上がっていた。こんなに幸せな日々はなかった。
けれど、それも……。
「全部、嘘だったのか」
「気づかなかったの?」
彼女は少し目を細め、クスッと笑った。
「私の名前はリエ。エル・アイ・イーでLie。こんな正直者、他にいないわ」
これ見よがしに、彼女の携帯を足元に放り出した。彼女は少し視線を移した後、また俺を見て、首を傾げた。
「知らない奴から電話が来たぞ」
「あれ、たかしくんかな?」
「男だなんて一言も言ってない!」
あくまで彼女がとぼけた様子なので、俺もつい声を荒げてしまった。
彼女は怖がる様子もなかった。少し目を丸くして、口元をわずかに抑えただけだ。その動作もいちいち可愛らしくて、一層俺の苛立ちを募らせた。
自慢の彼女だった。
サラサラと艶のある長い髪、すっと伸びた細長い手足。そこらのモデルや女優より、うんと綺麗だった。
俺は舞い上がっていた。こんなに幸せな日々はなかった。
けれど、それも……。
「全部、嘘だったのか」
「気づかなかったの?」
彼女は少し目を細め、クスッと笑った。
「私の名前はリエ。エル・アイ・イーでLie。こんな正直者、他にいないわ」
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公開:19/07/19 21:31
紙ではなく文字を食べて吐き出すヤギです。
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