夏祭り集団食中毒

とある夏祭りの会場で地域の婦人会が提供したカレーを食べた直後、人々が揃って体調不良を訴えた。


　原因は、カレーに溶け込んだ大量の睡眠薬。


　すぐさま警察は、事件性があるとみて、婦人会で調理を担当していた女性に疑いをかけた。


　早速、周囲の聞き込みを始めた警察だったが、その女性の評判の良さに驚いた。


　勤勉で真面目、責任感も人一倍強く、共働きで忙しく料理は普段作らないらしいが、美味しいカレーの作り方をこの夏祭りに合わせて追求していた。との事。


　続けて、警察はその女性の任意同行のもと、取り調べをする事にした。


「あなたがカレーに大量の睡眠薬を入れたという事で間違いないですか？」


「はい、間違いないです」


悪びれる様子の無い女性に刑事が呆れ顔で続ける。


「睡眠薬を入れた動機は？」


「カレーは寝かせた方が美味しいとネットで見たので……」