死んだふり~

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緑茶をガブガブ飲む。
力がみなぎるようだ。
パソコンのマウスを操作しながら思った。
人はこの季節、暑さという大敵と戦っている。
「夏だね」
なんて呑気な事は言ってられないのである。
自転車を漕いで近所の友達の家へ
遊びに行く。
「信也、来たぞ」
そう言って家に上がり込んだ。
すると、倒れている信也がいた。
「おい、大丈夫か!?救急車か!?」
慌てた俺が信也の体を揺する。
すると、
「暑いから死んだふり~」
と間の抜けた声で顔を見せた。
俺は暑さのあまり
「ふざけんな、心配したぞ」
と怒って、殴りそうになった。
だけど奴は、
「涼しいぞ、死んだふりは、おまえもどうよ?」
と悪びれる様子もなくへらへらしていた。
なんだか怒っている俺が馬鹿みたいだ。
そんな大学時代の夏休みがあった。
今年の夏はどうだろう?
就職してからお互い、遠くへ引っ越して
会う事もなくなった。
またあの言葉が聞きたくなる。
青春
公開:19/07/17 21:15

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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