7
9

あてもなく自転車でふらふらさまよっていた。すると、タイヤの空気が抜けたのだろう、ペダルを漕ぐ足が重くなってきた。
目の前には急な坂道。
今ある体力を振り絞って坂道をのぼろうとした。
体がますます重くなる。体は坂をのぼるどころか地下に沈んでいく。自転車から体が離れない。そのまま底なし沼にはまったかのように地下に沈んで、沈んで、沈んで。
熱い、体が熱い!熱い!


はっと目が覚めた。扇風機が止まっている。寝室は蒸し暑さで溶けそうなほどだった。
夢か。水を求めてキッチンへ行こうと体を起こすと、そのままベッドに吸い込まれるかのように体が沈んでいった。
助けてくれ。俺はまだ生きたい、沈みたくない!

はっと目が覚めた。
また夢を見ていたのだ。キッチンから移動してそのまま居間のソファで眠っていた。片手に持ったコップは傾き水が太ももを濡らしてい……
太ももが重い!ソファから体が離れない!


現実だ。
その他
公開:19/07/17 19:47
更新:19/07/17 20:49

夜野 るこ

  夜野 るこ と申します。
(よるの)

皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容