託された地域活性化

私は貧血気味なので鉄剤に頼っている。夕方、青いカプセル状の薬を1粒口に入れ、水で胃に流し込む。
すると、いきなり近所の公園でドンッと花火が上がった。と同時に町内放送で私の名前が呼ばれた！
「夜野 るこ様！おめでとーござーいまーす！」
ドドドドと地響きが鳴る。
ピンポーン！
玄関を開けると、町中の人々がクラッカーをパンパン鳴らしながらお仕掛けてきていた。
「るこちゃん、おめでとう！ありがとう！」
「……一体何事ですか？」
「……一体何事ですか？」
声がダブった。隣を見るともう1人の私も驚いている。
「今飲んだ青いカプセル、人体分裂剤なのよ。騙すようなことしてごめんなさい。薬をすり替えておいたの。でもね、うちの町今若い人がいなくて問題になってるから。最近引っ越してきたるこちゃんにどうしても増えて欲しくて。」
この町で若者と呼べる人間は私だけだった。

翌日、東京から若い人が引っ越してきた。