タダの自販機

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「なあ、100円玉無い?」
「えっ、今細かいのないなあ、なんで?」
「喉乾いたんだよな、金がなくて」
僕は急に言われても困るなあと思いながら
友達の陸と喋っていた。
部活の帰り道。
辺りは薄暗くなって、
もう虫も鳴いていた。
「なあ、あの自販機狙わないか?」
「えっ、あの噂のか?」
それは学校で噂されていた無料の自販機だった。
ただしルーレットでど真ん中を当てないと出てこない。
しかも的も動くから中々当たらないのだ。
注意書き。
当てたらどうぞ。
外れたら100円分の精神力を頂きます。とある。
なんだよ精神力って?良く分からない仕組みだ。
陸はいつの間にかルーレットをしていた。
そしてなんと彼は見事に当てたのだ。
「ラッキー、お前もやってみろよ」
陸は上機嫌だった。
でも僕は彼の誘いには乗らなかった。
昨日試して外したからだ。
おかげで今日のパフォーマンスは最悪。
見事に自販機にやられた。
その他
公開:19/07/14 21:29

小脇 進( 埼玉県 )

小脇 進と申します。
まだ小説も、ショートショートも書くのは初心者です。
※最近は詩作を中心に活動しています。

「分かってないなあコイツ」
と思っても、温かく見守っていて下さい。
よろしくお願いします。
                                                                               
2019年5月19日(日)17時55分頃より始めました。
以上です。

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