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僕は生まれてきてはいけなかった?
僕は野良猫。これでも小さい頃は可愛がられていた。親切な人がご飯をくれた。
でも、その人達が僕に言ったんだ。どっかいけ!って。
今まで親切だったのに突然大声で怒鳴られた。僕は怖くなって逃げ出した。
僕は喧嘩をしたことがない。自分で餌を取ったことがない。
年上の猫に暴力を振るわれた。人間に暴力を振るわれた。
いつも空腹で、安心して休める場所もない。
体は傷だらけ。血を流していない方が少ない。
もう、何で生きているのか分からなかった。
そんな僕にあの人は手を差し伸べた。僕を汚いと思わないの?
「逆に聞くがこの世に汚れないものなんてあると思うか?」
確かに。そんなものは存在しない。
「俺はその汚れを受け入れよう。なにせ俺は獣医だ」
この人は僕に獣医の仕事の証として傷を治してくれた。
「俺に証をくれたお礼をしよう。今日からお前はウチの猫だ。名前は」
僕に証をくれた。
公開:19/07/14 19:28

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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