王様は強いのがお好き

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バタフライ三世は祖父や父と似ても似つかない暗君だ。
農民の多くはやっと手にしたなけなしの収穫のあらかたを地代として容赦なく奪われ、自分たちの食い扶持も残らない。
困窮した農民の中には子供たちを人買いに売らざるを得ない者すら出る始末。
しかし、豪奢な宮殿で美食を喰らい、カジノに耽る王の耳に、その窮状が届くことはなかった。

ある年、日照りで湖が干上がってしまい、人々は飲み水にも不自由する事態となった。
燎原の火のように広がる民衆の不満を憂慮した側近は我が身の危険も顧みず進言した。
―王様、百姓どもは飲む水もございません。
―水がないなら、テキーラを飲めばいいではないか。

それが、あのテキーラ・バカフライなんだね。革命で首ちょん切られた王様でしょ?

ダイニングの方から声が聞こえた。

―パパ~、そろそろ大毅、寝付いた?
その他
公開:19/07/14 18:21
更新:19/07/19 07:44
スク― テキーラバタフライ

こぶみかん( 関西 )

ssの庭に迷い込んだこぶみかん。数々のお話の面白さに魅せられ、通い始めた。
気が付いたら、庭の片隅に挿し穂されていた。
いつか実を結ぶまでじっくり育つといいね。

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