YELLOW PARADE &22

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花火を上げよう。彼女へのメッセージとして。
花火を上げよう。彼女への想いを伝える手段として。

海岸にいる。人気はない。静かな波の音のみ。

筒を用意し、大きな花火玉をセットする。
特注。花火大会などで使うサイズだ。
これを打ち上げたら、都内のどこからでも見られるはず。

分かってはいる。
こんな大きな花火を打ったら、大勢に迷惑をかけてしまう、法に抵触してしまう可能性があることを。

でも、もう、止められない。

この想い、彼女へ届け―。

僕は、導火線に、着火した。


残業が終わり、窓の外を眺めた際、私は見た。
夜空に咲く大きな花火を。

花火はその一発のみ。間違い無い。彼だ…!

花火の色は、緑と赤の二層。つまり…!

ホンジツ バンゴハン マーボーナス オネガイシマス

私は急いでスマホを取り出し、彼に連絡。
『ゴメン、今、茄子きらしてるのよ。豆腐でも大丈夫?』

【プロトコル】
その他
公開:19/07/15 18:34

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