びっくり箱

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僕の彼女は発明家である。今日も凄いものを発明したと言って僕を呼び出した。
彼女に見せられたそれは、ただのスピーカーだった。これのどこが凄いんだ?
彼女は自信満々に音楽を流す。するとスピーカーから音符が飛び出してきた。
「どう?この音符発生装置。音楽を流すと音符を吐き出すの。面白いでしょう?」
彼女は楽しそうに話す。
音符を手に取る。指で弾くと今流れている音楽同様、ポップで弾けるような音がした。
「この装置は音楽の感情を読み取ってそれにふさわしい音を奏でるの。何か他に試してみてもいいわよ」
そう言われたので僕は先程からボイスレコーダーで録音している彼女の声を装置に繋いだ。
装置からは出た音符は楽しさに溢れている反面、若干の不安を感じる音がした。
「実はちょっとだけ不安だったりする」
彼女の告白に僕は自信を持って言った。
この装置は世界中の人を驚かせ、世界を幸せにするびっくり箱になる!ってね。
公開:19/07/15 18:22

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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