無尽蔵インタラクション

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 僕は、無尽蔵の素数で溢れる海を泳いでいた。
 四十年目を目前にした頃、危機感を覚える。どれだけ泳いでも疲れなかった僕の体は、時々休息を求めるようになったのだ。
 あと何年、この肉体は呼吸を続けられるだろうかと、そんな迷いが脳裏をよぎる。
 焦った。焦って、更にもがき、苦しみ、泳ぐ。泳ぎ続ける。
 まだ、やりたい事があるのに。
 更に十年を捜索に費やしたが、やはり見付からなくて。
 そうしてようやく、もう僕は×××××なんてとっくの昔に見付け、手に入れていた事を悟っていた。
 ただ、まだ欲しいからと強欲に、愚鈍に、求め続けていただけの事で。
 諦観の念と満足感が同時に去来した時、僕は泳ぐのを止めた。
 残された時間はどれくらいかな、と思った時、余興を楽しもうという気持ちがちょっとだけ湧いて。
 僕は、あと少しだけ、泳ぐ事にした。
 素数は、まだ水平線の先まで続いている。
ファンタジー
公開:19/07/15 07:03
幻想 哲学 不思議

宇津木健太郎( 我楽多街 )

優しい世界の話。
遥かなる宇宙の話。
夏の陽だまりの中の話。
世界を覆い尽くす青空の話。
あなたの隣に居る私の話。

そんな、日常から宇宙の果てまで存在する、不思議で空想的な話を紡いでいきます。

時々ホラーも書くかも知れないけれど。

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