オオアメケイホウ

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「別に大雨なんて大丈夫だって、切るよ!」
 ったく。スマホのボタンを押して、オレはため息をついた。

 なんでも、異常気象だかなんかで、明日こっちに大雨が降るんだそうだ。それを心配して、母さんが電話してきた。
 幸い、明日は講義がないし、バイトも入れてない。家にこもって、ゲームするつもりだった。

 外に出なければ大丈夫だろう。
 そう思ってオレは布団をかぶったのだが……。

 コツンコツン。窓を叩く音で目が覚めた。
 ああ、降り始めたか。オレはのっそり体を起こした。
 途切れ途切れだった音が、だんだん繋がって、ザーッという音に変わる。

 外を見て……えっ!?
 オレは目を疑った。夢でも見てるのか。

 色とりどりの「アメ」が、空から降っていた。
 窓を開け、試しに一粒、手にすくって舐めてみる。

 ……甘い。しかも、オレの好きなイチゴ味だ。
 まいったなあ、これはゲームどころじゃない。
ファンタジー
公開:19/07/13 10:35

やぎ太郎( 牧場 )

紙ではなく文字を食べて吐き出すヤギです。

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