みのがし探偵 ~episode2~

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「撲殺か……」
美濃樫《みのがし》がつぶやくと、コグレ警部がうなずいた。
「ええ。でも、凶器が珍しいんです」
「ほう」
「これです」コグレが写真を見せる。「『小さな仏像』です。表向きはただの『鈍器』としてますが」

被疑者とされた殺田《ころしだ》の取調べが始まった。
「お前がやったのか」
「いや、俺はやっちゃいねえよ。本当だよ」
「お前は彼を恨んでいた。だから殴り殺した。違うか?」
「違う! 俺は小さな仏像であいつを殴り殺してないって言っちょるじゃろ!」

「今、何と言った……?」美濃樫の顔色が変わった。
「え。『小さな仏像で』」
「違う。その後だ」
「殴り殺してないって」
「その後!」
「言『っちょるじゃろ』」
「そう! お前もしかして……山口県人なのか」
「ええ、そうですが」

「いや~俺もなんだよ。奇遇だな、よし飲みに行くか」

みのがし探偵・美濃樫。 真実はいつも一つも分からない。
ミステリー・推理
公開:19/07/13 09:58

UBEBE

おっさんになりましたが、夢は追い続けます

「小説は短く、人生は永く」

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