短夜の蛍

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短夜の月明かりの下にある小さな池に、たくさんの蛍が光を発して飛び回ったり、時に、体内を消灯させ、近くの小枝で羽を休めていた。

私は、夏特有のその光景をじっくりと観察した。

月の明かりが細くなる度に、水面に微かに香る光が漂った。

蛍達は、夜の帳に灯りを灯し終えると、夏の終わりを知らせるように空高く飛んでいった。

私も咄嗟に折り曲げていた膝を元に戻した。

もしも、蛍が高嶺の花だといつまでも高尚のような煌めきを現実に残し、次の季節を運んできてくれるのだろう。
その他
公開:19/07/12 21:59

神代博志( グスク )









 

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