書けない
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終電で居眠りしてしまい、終点の見知らぬ駅で途方に暮れている。
朝までどうにかやり過ごすか…。始発の時間をメモしようとペンを取り出した瞬間、警察官が現れ私の腕を掴んだ。
「キミ!あの看板見えないの?」
そこには『書き厳禁』とあった。
「このペンは没収。まさかスマホやパソコンの類いなんて持ってないよな?」
「…持ってますが」
「おい!そんな『書く兵器』を持ち歩くなんて、戦争でも始めるつもりか?署まで来てもらおう」
何がなんだかわからない。
「ちょっと待って。書くことがダメなんですか?」
「そう、キミ達はお上の情報を鵜呑みにして受け入れていればいい。書くことなど必要ない」
「そりゃおかしい。我々にも人権がある。自分の書きたいことも書けないんじゃ、生きがいなんてあったもんじゃない」
その私の言葉に警察官は首を傾げた。
「生きがい…?キミ、気づいてないの?ここ『ヨミの国』なんだけど」
朝までどうにかやり過ごすか…。始発の時間をメモしようとペンを取り出した瞬間、警察官が現れ私の腕を掴んだ。
「キミ!あの看板見えないの?」
そこには『書き厳禁』とあった。
「このペンは没収。まさかスマホやパソコンの類いなんて持ってないよな?」
「…持ってますが」
「おい!そんな『書く兵器』を持ち歩くなんて、戦争でも始めるつもりか?署まで来てもらおう」
何がなんだかわからない。
「ちょっと待って。書くことがダメなんですか?」
「そう、キミ達はお上の情報を鵜呑みにして受け入れていればいい。書くことなど必要ない」
「そりゃおかしい。我々にも人権がある。自分の書きたいことも書けないんじゃ、生きがいなんてあったもんじゃない」
その私の言葉に警察官は首を傾げた。
「生きがい…?キミ、気づいてないの?ここ『ヨミの国』なんだけど」
ファンタジー
公開:19/07/12 21:00
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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