アインシュタイン

8
9

夏休みを楽しむ子供たちの天敵、宿題。
そのツートップとも言える読書感想文と算数ワーク。今年の課題図書はアインシュタイン伝だ。
「偉人って、結構人間臭いんだよ」といとこのマサルくんは言う。
そうは言っても、課題図書はふつーに難しく、面白エピソードなんて載ってない。

考えあぐねて畳の上を右へ左へごろごろ転がる。
心身ぐだぐだになった僕は原稿用紙に舌を思い切り突き出してみた。あとちょっとで、用紙に舌が届く。もう1ミリ舌を突き出すと、舌先が用紙にふれると同時に、舌が痙攣し、口内を激痛が走った。
ってーーっ

ようやく痛みが退いた時、どこかに小さい違和感を感じた。
ふらふらと座椅子に戻ると、机の隅の開けっ放しの算数ワークが目に入った。
ん?

どの問題を見ても解き方が光って見える。
こんな面白い物、どうして放っておいたんだろう、今まで。
僕はペンをとるが早いか、片っ端から問題を攻略し始めた。
その他
公開:19/07/12 20:20
スク― 舌が伸びる感想文

こぶみかん( 関西 )

ssの庭に迷い込んだこぶみかん。数々のお話の面白さに魅せられ、通い始めた。
気が付いたら、庭の片隅に挿し穂されていた。
いつか実を結ぶまでじっくり育つといいね。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容