天井

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深夜。耳をつんざくような悲鳴で目が覚めた。

慌てて飛び起き、隣の布団に目をやる。
我が子がうわごとのように何か呟きながら涙を流している。

「どうしたの?」
そっと尋ねると、我が子はしゃくりあげながら答えた。

「夢で、天井から…おててがいっぱい、伸びてきて…ほっぺ、撫でられそうになって…」

ぎゅっ、と私に抱き着いてくる。
昼間は「もうすぐ小学生になるんだ」と威張っていたくせに、まだまだかわいいところもあるもんだ。

「大丈夫だよ。夢だもん。そんなことはありえないよ」
「本当に?」
「本当だよ。ほら、見てご覧」

私が示してみせた天井からは、いつも通り大量の脚がびっしりと伸びていた。

「ほら、大丈夫だろ?」
「うん…… 良かった」
我が子は、やっと安心したように微笑んだ。
ホラー
公開:19/07/13 23:09
ホラー 天井

PURIN

超ド級の素人です。他サイト様でも書かせていただいています。
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