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「それで、私の運勢はどうなるんですか?このままだと、将来の不安が絶えなくて、夜も心配で眠れないんですが」

くたびれた襟をし、真っ青な顔をしたサラリーマンは対面に座る占い師にきいた。

占い師は、青い水晶玉の上でこねくり回すように動かし、開眼した。

「そうですね。このままだと、将来への不安を拭い去ることはできないでしょう。でも、大丈夫。もう、安心してください」

占い師は、辺りに注意を注ぎ、誰も見ていないことを確認した後、ポケットから一錠の薬を取り出し、それを彼に差し出した。

「どうぞ。これを召し上がりください」

彼は、占い師に勧められるがまま、その薬をのみ込んだ。

「ほら、すぐに効果がきいてくるでしょ。もう、何も心配する必要はありません」

次の瞬間、彼は意識を失い、その場に倒れ込んだ。
床の上に、彼の双眼がコロコロと転がった。
その他
公開:19/07/13 21:29

神代博志( グスク )









 

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