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俺の大好きな爺ちゃんと婆ちゃんが元気な姿で帰ってきた。
だが爺ちゃんはまるで蛸のように赤くなっていて、
婆ちゃんは墨パックか? というほど黒かった。
「爺ちゃんたち何その恰好?」と問いかけてみたが
うまくはぐらかされ、その代わりいっぱい遊びに付き合ってくれ、気が付くと眠る時間だと寝室に追いやられた。
トイレに起きた俺は障子の向こうで
親たちの話声が聞こえるので思わず聞き耳をたてた。
「あちらの様子はどうですか?」
「変わりないよ。俺は毎日茹でられてるし、婆ちゃんは火炙りになってる」
「せめて、追善供養でも受けられては……」
「駄目だ。俺はお前たちの為とはいえ、罪を犯した。
貧しかった時代とはいえ、盗みや殺人。詐欺などさんざん悪事を重ねてきた。救われる資格などない」
「だが、お前たちは人を助ける立派な人間になれ」
「それが、俺たちの最大の供養だ」祖父の声は笑っていた。
だが爺ちゃんはまるで蛸のように赤くなっていて、
婆ちゃんは墨パックか? というほど黒かった。
「爺ちゃんたち何その恰好?」と問いかけてみたが
うまくはぐらかされ、その代わりいっぱい遊びに付き合ってくれ、気が付くと眠る時間だと寝室に追いやられた。
トイレに起きた俺は障子の向こうで
親たちの話声が聞こえるので思わず聞き耳をたてた。
「あちらの様子はどうですか?」
「変わりないよ。俺は毎日茹でられてるし、婆ちゃんは火炙りになってる」
「せめて、追善供養でも受けられては……」
「駄目だ。俺はお前たちの為とはいえ、罪を犯した。
貧しかった時代とはいえ、盗みや殺人。詐欺などさんざん悪事を重ねてきた。救われる資格などない」
「だが、お前たちは人を助ける立派な人間になれ」
「それが、俺たちの最大の供養だ」祖父の声は笑っていた。
ホラー
公開:19/07/13 19:43
更新:19/07/13 19:46
更新:19/07/13 19:46
ぼちぼちやっていこうと思います。
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