237. シタノバース

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宿題で一番苦手なのは読書感想文だ。
だから今回も僕の作った文章読み書き専用のロボット『シタノバース』にやらせようと久しぶりにスイッチをオンにした。
──ガタガタッ、ピー
よし!起動した!
『コンニチハゴシュジンサマ!アー、ドクショガシタイドクショガシタイ!』
このロボットは毎回、僕の代わりに課題図書を読んで感想文を書いてくれるのだ。
「早速これを読んでくれ」
ロボットは物凄いスピードで読みはじめ、ものの数分で読み終わると、ペンになっている舌をベローンと口から出し、用意していた紙にざざーっと感想を書き始めた。そして書き終わったものを僕が原稿用紙に清書して今回も完了した。
「ふぅこんなに早く終わるなんてやっぱ使えるなぁ!今回もこいつのお陰で受賞できそうだし♪」『ゴシュジンサマ?イマノコトバハホンキデスカ…リヨウスルダケシテ…』
僕が驚くのと同時に、シタノバースは自分の舌を巻いて逃げ出した──。
SF
公開:19/07/11 08:00
更新:19/07/12 23:59
スクー 舌が伸びる感想文

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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